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本の感想

【映画化】『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』東野圭吾・著 を読んだ感想|コロナ禍を舞台にした新感覚ミステリー

サムネイル_本の感想_ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人 本の感想
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『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』

元マジシャンの探偵・神尾武史が活躍する新シリーズ第1作!福山雅治さんが演じることを想定して書かれた斬新なダークヒーロー。コロナ禍という時代背景を丁寧に描きながら、手品のような巧みな仕掛けで真相に迫る痛快ミステリー。2025年9月12日に福山雅治・有村架純主演で映画公開され、ますます注目を集める話題作です!

▶️動画でもご紹介しています!

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今回紹介する作品は?

こんにちは! 読書は推し活・晴星(せい)です。

今回は、元マジシャンの探偵・神尾武史が活躍するシリーズ第1作目『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』について、たっぷりとお話ししたいと思います。

映画を観た人にも、まだ観てない人にも、原作の魅力をお伝えしていきます!

ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人

ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人

著者:東野圭吾

出版社:光文社

備考:ブラック・ショーマンシリーズ1作目

東野圭吾先生の作品一覧

映画化

映画『ブラック・ショーマン』について

キャストについて

東野圭吾×福山雅治という「ガリレオ」シリーズでおなじみのゴールデンコンビが再びタッグを組み、新たなダークヒーローを誕生させました!

福山雅治さんが演じるのは、元マジシャンで非凡な洞察力を発揮する探偵役・神尾武史

有村架純さんは、武史の姪で、父親殺しの謎に挑む助手役・神尾真世を演じています。

私は、このキャスティングを聞いてから小説を読んだのですが、まさにお二人のイメージがぴったりでした!

実は、神尾武史は福山雅治さんをイメージして書かれたキャラクターなんです。

福山さんが東野先生に「ガリレオシリーズの湯川学ほどの明晰な頭脳を持つ人が、もしダークサイドに堕ちたらどうなるのか」と問いかけたことから、「ブラック・ショーマン」が生まれました。

福山さんありきの作品だったんですね。

映画の感想は動画や別記事から

▶️映画を観た感想も、動画でご紹介しています!

作品の基本情報

本作は、2020年11月30日に光文社から単行本が書下ろしで、2023年11月14日に文庫版が刊行された、東野圭吾先生の長編ミステリー小説です。

ブラック・ショーマンシリーズの第1作で、2024年1月24日に続編『ブラック・ショーマンと覚醒する女たち』も刊行され、晴れてシリーズものとなりました。

続編も読んだのですが、こちらは6作入った連作短編集となっていました。

ブラック・ショーマンと覚醒する女たち

ブラック・ショーマンと覚醒する女たち

著者:東野圭吾

出版社:光文社

備考:ブラック・ショーマンシリーズ2作目

東野圭吾先生の作品一覧

お話のストックが貯まれば、またドラマ化や映画化される可能性もありそうです。

大人気ガリレオシリーズも、10冊中5冊は連作短編集のため、似た構成になっていくのかもしれませんね。

あらすじ

舞台は2021年3月、コロナ禍で観光客も遠のいた、日本のどこにでもありそうな名もなき町。

2ヶ月後に結婚を控えた建築士の神尾真世のもとに、故郷で一人暮らしをしていた父・英一が自宅で何者かに殺害されたという連絡が入ります。

急遽故郷に戻った真世でしたが、警察は捜査の詳細を教えてくれません。

そんな中現れたのが、疎遠だった叔父の神尾武史

元マジシャンの彼は、人を喰ったような知恵と手品のような仕掛けを駆使して、独自に事件を調査しはじめます。

「父は誰に、なぜ殺されたのか」

娘と叔父が協力して、事件の真相に迫るミステリーです。

本書の3つの魅力ポイント

  • 元マジシャンという斬新な設定の探偵が手段を選ばず真相に迫る
  • コロナ禍という時代背景を丁寧に描いた歴史的価値のある作品
  • 「名もなき町」という普遍的な設定で、読者が共感しやすい物語

感想(ネタバレなし)

新しいタイプの探偵

武史というキャラクターがとても斬新です。

手品の要領で、刑事のスマホをポケットから抜き取り、欲しい情報を覗き見したり、

嘘を交えることで、巧みに話を聞き出したりと、かなり手段を選ばない探偵なんです。

まさに「ブラック」なショーマンで、最初は、「この人大丈夫?」と思うんですが、読み進めていくうちに、彼なりの正義感や優しさも見えてきます。

コロナ時代を描いた作品

この作品の魅力の一つは、コロナ禍という時代背景を丁寧に描いている点です。

2021年3月を舞台に、頓挫した町おこし計画、閑散とした商店街、度重なる緊急事態宣言と移動制限、

さらに、テレワークによる夫婦間のトラブルや変化した冠婚葬祭の形など、

私たちが実際に体験した現実が再現されています。

曲者の探偵が活躍する「ミステリーエンターテイメント」でありながら、新型コロナウィルスによって人々の暮らしがどう変わったかを記した「歴史書」でもあると感じました。

後世の人がこの時代を振り返る時、この小説から当時の空気感を感じ取ることができるんじゃないでしょうか。

「名もなき町」という設定の巧妙さ

タイトルにある「名もなき町」という設定が秀逸だと感じました。

観光業に頼っている地方の町で、読者が「あ、私の町のことかもしれない」と共感しやすくなっているんですよね。

実際、日本全国にこういった観光地はたくさんあって、コロナ禍で苦しんだ場所も多いはず

そんな普遍的な場所を舞台にすることで、登場人物たちがより身近に感じられるようになっています。

容疑者の多さ

事件が起こる前、もうすぐ中学校時代の同窓会があることが語られます。

そのため真世は友人と電話をするんですが、この時点でたくさんの同級生の名前が登場するんですよね。

私は「彼らの誰かが犯人なのかしら?」と考えながら読み進めていました。

容疑者は全部で10人。

  • 真世の婚約者
  • 真世の友人
  • 友人の旦那
  • 第一発見者の同級生
  • エリートコースを歩む同級生
  • 超有名な漫画家になった同級生
  • 漫画家のマネージャー気取りの同級生
  • 町おこし事業を進める同級生1
  • 町おこし事業を進める同級生2
  • 町おこし事業を進める同級生3

それぞれに怪しい部分があって、最後まで犯人が分からない作りになっています。

これだけ容疑者がいると、推理のしがいがありますよね。

あなたは、この中の誰が怪しいと思いますか?

こんな人におすすめです!

  • 東野圭吾ファン – いつもの東野作品とは一味違う新しい探偵像が楽しめる
  • 福山雅治ファン – 福山さんのために書かれたキャラクターを原作で体験できる
  • コロナ禍を記録した作品に興味がある人 – あの時代を丁寧に描いた歴史的作品
  • ダークヒーローが好きな人 – 手段を選ばないブラックな探偵が痛快
  • 映画を観た人 – 原作ならではの描写や心理描写を堪能できる

こんな人には向かないかも……

  • 王道の探偵小説を求めている人
  • コロナ禍の描写を読みたくない人
  • 派手なアクションシーンを期待している人
ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人

ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人

著者:東野圭吾

出版社:光文社

備考:ブラック・ショーマンシリーズ1作目

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※以降は、ネタバレありの感想を書いております。未読の方でお話の内容を知りたくないという方は、こちらでUターンをお願いいたします!

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感想(ネタバレあり)

調査と整理の構成

私が読んでいて特に印象深かったのは、「調査→情報の整理」という流れが何度も繰り返される構成でした。

514ページという長さで、プロローグ・エピローグを含めると全31話ある本作ですが、このような丁寧な構成のおかげで、混乱することなく読めました。

ただ、武史がスマホから情報を盗み出したり、嘘をついて相手から情報を引き出したりする手法が、回を追うごとに少しくどく感じられたのも事実です。

犯人当ての結果

私は、最初は真世の婚約者が怪しいと思っていたんですよね。

あまりにも頻繁に連絡してくる気がして、何か情報を探っているような違和感があったんです。

でも、エピローグで謎が解けました。

真世から連絡をしていないから、向こうからばかり連絡が来ているように感じられたんですね。

亡き父が東京に行っていたという情報から、東京にいる婚約者が怪しいとミスリードされてしまいました。

結局、武史の最後のショーで容疑者がどんどん絞られていくまで、犯人を当てることはできませんでした。

残念! 

ショーが始まる前に「あの人が怪しい!」と気づいた方はいますか?

犯人の動機

「秘密にしてくれ」と言えば、英一は渋々ながらも頷いただろうに、と思いました。

でも、作中で「規律に厳しい先生」という描写があったのも伏線だったのかもしれません。

中学時代の記憶で「ルールに厳しい先生」だったから、犯人は「許してくれないかもしれない」と思い込んでしまったんでしょうね。

それにしても、「ファイルだけ盗むと怪しまれる」という想像力は働かせられるのに、何の躊躇もなく火事を起こそうとする短絡さには驚きました。

一方で、津久見の母親に毎年年賀状を送り続けていたのは、罪の意識が残っていたからでしょうか。

人って本当に複雑ですね。

コロナ禍の状況

ネタバレなしのパートでも話しましたが、本作は「コロナ禍」の状況を克明に記した歴史書でした。

頓挫した「げんラビハウス」建設の計画、投資で損をした人々、客足が落ちた旅館や商店街に苦しむ経営者たち。

コロナで亡くなった方、家族がテレワークとなり生活リズムが乱れた方などもいました。 

私も2020年3月頃からフルリモートに切り替わったんですが、一人暮らしだったので、出勤時間が余暇に使えるようになってラッキーくらいに思っていました。

でも、家族がいる方は大変だっただろうと思います。打ち合わせなんかで声を出す機会も多いので、マイクが生活音を拾わないようにと神経をすり減らした方もいたかもしれません。

そんなリアルなコロナ禍の状況が描かれる中、犯人の動機だけはコロナに関係がない、というところが個人的に好きでした。

あれほどの混迷期でも、人間の本質的な部分は変わらないんだなと感じました。

著者・東野圭吾 さんについて

東野圭吾さんは、1958年大阪府生まれの小説家です。大阪府立大学工学部電気工学科卒業後、1985年に『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞してデビューしました。

1999年に『秘密』で第52回日本推理作家協会賞、2006年に『容疑者Xの献身』で第134回直木賞と第6回本格ミステリ大賞をダブル受賞。その後も『流星の絆』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』『夢幻花』『祈りの幕が下りる時』など、数々の作品で文学賞を受賞し続けています。

ガリレオシリーズをはじめとする人気シリーズを多数執筆し、そのほとんどが映像化されるなど、日本を代表するミステリー作家として確固たる地位を築いています。

本作『ブラック・ショーマン』シリーズは、福山雅治さんとの対話から生まれた新たな探偵像で、東野ミステリーの新境地を切り開く作品となっています。

この記事を書いた人
駿河 晴星(Suruga Sei)

フリーアトリエ晴星へようこそ!
駿河 晴星(するが せい)と申します。

感興の赴くままに、小説や詩を執筆したり、YouTubeに動画を投稿したり、ベースを弾いたり、プログラミングをしたりしています。

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