書籍情報
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あらすじ
第20回小説現代長編新人賞受賞作🏆
受賞時のタイトルは『ようこそ!ここはあなたのふるさとです』。
地球に宇宙人がやって来たのは、「私」が中学二年生のときだった。彼らはすでに言葉を捨てており、人間とコミュニケーションを取ることはできないが、声の無い彼らは人間、特に女性の声を聞くと「宝石」と呼ばれる綺麗な石を排出する。
忌み嫌う故郷を捨て、都会に出て来た「私」は学費や生活費を奨学金で支援してもらう代わりに、「宇宙人の店」で働いている。そこでは、宇宙人に向かって音読し、彼らが排出する宝石を箱に収めることが仕事だった。
同僚のカナリアという女の子との交歓や予備校でのりょうちゃんとの出会いが、「私」の日々を色付けていく。りょうちゃんとともに晴れて大学に合格し、恋人となった二人。さまざまな会話の中で、衒いなく子どものころの話ができるりょうちゃん。だが、「私」は、昔のことを話すことができなかった。
一方で、捨ててきた故郷への思いは募るばかりだった。大嫌いな母、育ててくれたおばあちゃん、いじめを繰り返すつまらない同級生、小学生の時預けられていたのろちゃんという近所の女性。のろちゃんに暴力を振るう金吾……。
大学二年のとき、のろちゃんの死を知った「私」は、久しぶりに故郷に帰る。そして、都会に戻ってきた際、ここも憧れの場所ではなかったと唐突に自覚する。そして次の日、「私」は「宇宙人の店」で、彼らの星に移住することを提案される。
りょうちゃんの健やかな人柄に惹かれる一方で、二人の間に見えない壁を感じていた「私」は、移住の提案に乗ることにしたのだった。

