書籍情報
・著者:宇能鴻一郎
・出版社:新潮社
・受賞歴:第46回芥川龍之介賞
・あらすじ:
『姫君を喰う話―宇能鴻一郎傑作短編集―』に収録。
官能の巨匠か、正統派文芸の偉才か。芥川賞受賞作を含む六編。本物の文学がここに。煙と客が充満するモツ焼き屋で、隣席の男が語り出した話とは……戦慄の表題作。巨鯨と人間の命のやりとりを神話にまで高めた芥川賞受賞作「鯨神」、すらりとした小麦色の脚が意外な結末を呼ぶ「花魁小桜の足」、村に現れた女祈祷師の異様な事件「西洋祈りの女」、倒錯の哀しみが詩情を湛える「ズロース挽歌」、石汁地蔵の奇怪なる物語「リソペディオンの呪い」。圧巻の迫力に満ちた六編。(解説・篠田節子)