書籍情報
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あらすじ
下校途中に無差別爆弾事件に巻き込まれ、異世界へ飛ばされた女子高生・典子。見知らぬ森の中で怯える典子を救ったのは、渡りの戦士・イザーク。この2人の出会いから、世界は大きく動き始めるーー。
オススメポイント
星雲賞コミック部門を受賞
単行本は全14巻、文庫版は全7巻が刊行されています。2002年に完結済みです。
『彼方から』は、『LaLa』で1991年11月号から2002年12月号にかけて連載された作品です。
2004年には、第35回星雲賞コミック部門を受賞しました。
星雲賞っていうのは、1970年に創設された、日本でもっとも古いSF作品の賞で、漫画に限らず、小説や映画演劇などにも贈られることがある、権威ある賞です。
コミック部門だと他には、宮崎駿監督の『風の谷のナウシカ』や荒川弘先生の『鋼の錬金術師』、近年では魚豊先生の『チ。-地球の運動について-』などに贈られています。
平成の異世界転移もの
本作は「平成の異世界転移もの」です。
昨今、大流行りしている「異世界もの」やけど、平成初期の時代にも、もちろんありました。
本作の主人公は、ノリコという女子高校生。下校途中に無差別爆弾事件に巻き込まれ、気を失った彼女が目を覚ますと、そこは見知らぬ異世界でした。
無傷の体に、先ほどの出来事は夢だったのかと戸惑いますが、そこでいきなり巨大な芋虫のような怪物に襲われてしまいます。
そんなノリコを救ったのは、渡りの戦士・イザークという男性でした。
この二人の出会いから、世界は大きく動き始めるというお話です。
オススメポイント1:丁寧に描かれた恋愛関係
この作品の魅力の一つが、ノリコとイザークの丁寧に描かれた恋愛関係です。
私はこの二人の関係性が好きすぎて、文庫版7巻分を何回も、本当に何回も読み返しています。
個人的に、ノリコとイザークがベストカップルです!
異世界に飛ばされて、右も左もわからないところを助けてくれたイザークに、親鳥にくっつく雛のように真っ直ぐな信頼を寄せるノリコ。
「天上鬼」と呼ばれ、化け物扱いされて孤独に生きてきたイザークは、強大な力に目を曇らせることなく自分自身を見てくれる彼女に、孤独だった心が癒されていきます。
お互いの思いはやがて恋心に変わっていくんやけど、実は、
ノリコはイザークを「天上鬼」として覚醒させてしまう「目覚め」という存在でした。
「天上鬼」と「目覚め」という運命が、2人の間に影を落としていくんです。
ともに旅をし、一度は別れ、そして再会を果たす彼らの関係や心の変化が丁寧に描かれる本作には、時代を超えて心に響く魅力があります。
オススメポイント2:異世界の言語を一から習得
個人的にすごいなと思ったのが、言葉を一から覚えていく設定の秀逸さです。
異世界や過去・未来に飛ばされるジャンルの話では、ほぼ言葉の不自由がないのがお約束ですよね。
しかし本作では、異世界に飛ばされたノリコが、その世界の言葉を一から覚えていくという設定になっています。
これがとてもリアルで、物語に説得力を与えているんよね。
最初はコミュニケーションに苦労しながらも、徐々に言葉を覚えていく過程が丁寧に描かれていて、読者も一緒に成長していく感覚が味わえます。
オススメポイント3:ご都合主義が無い
ご都合主義が無い点も好きです。
「敵の元から無事逃げ出せた!」と思ったら、荷物を置いてきてしまったせいでお金も何も無くて、農場で働いてなんとか凌いだり、
普段は最強のイザークも、「天上鬼」の力の反動で動けなくなる時期があったり、
異世界ファンタジーが好きな方はもちろん、丁寧な設定のお話が読みたいという方にもオススメできる作品です。
オススメポイント4:練られた壮大な構成
物語は全5部構成で、幕間の特別編3話とエピローグから成る、壮大な物語となっています。
ひかわきょうこ先生の体調不良の影響で、何度か休載を挟み、12年かけて完結した本作。
連載が長期にわたった分、一つ一つのエピソードが本当に丁寧に描かれていて、読み応えは抜群!
ノリコとイザークの恋愛だけでなく、仲間たちとの旅や戦闘、人生につながる気づきなど、さまざまな面から感情を揺さぶってくれる名作です!

