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書籍情報
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あらすじ
謎の少女に襲われ、決断を迫られたあの夜──。幸せでも、不幸でもなかった僕のありきたりな日常は、跡形もなく壊れてしまった…。
首筋に残った“傷”。何かを求めて、止まない“渇き”。冴えない高校生だった、岡崎を待ち受ける運命とは…!?
首筋に残った“傷”。何かを求めて、止まない“渇き”。冴えない高校生だった、岡崎を待ち受ける運命とは…!?
オススメポイント
『惡の華』や『血の轍』で知られる押見修造先生が描く、異色の吸血鬼漫画として話題になった作品です。
一見よくある吸血鬼ものに思えるかもしれませんが、そこは押見修造。
独特の心理描写と人間ドラマで、これまでにない吸血鬼漫画を生み出しています。
主人公は岡崎誠という平凡な高校生です。
クラスでいじめを受けながらも、なんとなく日々を過ごしていた誠でしたが、ある夜、謎の少女ノラに首筋を噛まれて負傷してしまいます。
この事件をきっかけに、誠の平凡な日常は一変。
まるで吸血鬼のように血に渇望を覚えるようになり、体にも異変が起こり始めます。
そんな誠を支えるのが、同級生の五所雪子。彼女は誠の変化に気づき、理解者として寄り添っていきます。
しかし、誠を襲ったノラの正体や目的、そして吸血鬼化した誠を狙う組織の存在など、物語は次第に複雑になっていきます。
魅力的なポイントとしては、まず心理描写が素晴らしいです。
吸血鬼になってしまった誠の葛藤、人間でいたいという気持ちと血への渇望の狭間で揺れる心境が、リアルに描かれています。
物語の構成も見事で、前半は誠個人の変化に焦点を当てながら、後半では群像劇として様々なキャラクターの運命が交錯していきます。
元々「群像劇を描きたい」と思って始めた作品で、押見先生にとっても新しい挑戦だったそうです。
また、吸血鬼というモチーフを使いながらも、根底にあるのは「幸せとは何か」という普遍的なテーマです。
作者は、あとがきでこう語っています。
“作品全体のテーマは、死と病、社会からの疎外……(省略)……それらに捉われてしまった人間にとって、幸せとは何か?”
“生まれ持った条件が悪かったり、何の落ち度も無いのにいきなり消えない傷を負わされてしまった人間にとって「幸せ」とは何か?”
吸血鬼という超常的な存在が登場するという点ではファンタジーですが、私は本作をファンタジー漫画とは思えませんでした。
吸血鬼が「死」や「病」の象徴だとしたら?
本作は誰にでも起こりうる、過酷な現実の一部を切り取った物語だったように思います。
特に印象的だったのは、ゴッホの「星月夜」を思わせるような渦を巻いた空です。
ゴッホが登場する原田マハさんの小説『たゆたえずとも沈まず』の書影など、色々なところで使われているため、同じように「星月夜」を思い出した人もいるかもしれません。
この渦巻きが何を表しているか?
一言ではとても形容できないものだと思いますが、「混沌」「流れ」「循環」「生と死」。さまざまなことが感じられます。
渦巻のモチーフは古代から存在していて、日本でも縄文時代の土器や弥生時代の墳丘墓に渦巻の文様が刻まれていたりします。
押見先生がどのような意図でこの渦巻の空を描いていたのかはわかりませんが、ずっと渦巻いていた空が、最後だけは美しい満天の星空に変わっていたんよね。
“「幸せ」とは何か? 結局、明確な結論には至れなかったような気がします。”
とあとがきで語られていますが、「ハッピーエンド」であったことは間違いないと思います。
本作は、押見修造先生の他の作品が好きな人には間違いなくおすすめです。
また、従来の吸血鬼漫画とは一味違った、心理描写重視の作品を読みたい人にも向いています。
ダークな雰囲気やグロテスクな表現が多分に含まれているので、そういった描写が苦手な人や未成年の人にはオススメしづらいのですが、人間の内面を深く掘り下げた重厚なドラマを求める読者には、きっと満足していただけると思います。
全10巻で完結済みですので、気になった方はぜひ手に取ってみてください!
一見よくある吸血鬼ものに思えるかもしれませんが、そこは押見修造。
独特の心理描写と人間ドラマで、これまでにない吸血鬼漫画を生み出しています。
平凡な高校生が、ある日首筋を噛まれ……
主人公は岡崎誠という平凡な高校生です。
クラスでいじめを受けながらも、なんとなく日々を過ごしていた誠でしたが、ある夜、謎の少女ノラに首筋を噛まれて負傷してしまいます。
この事件をきっかけに、誠の平凡な日常は一変。
まるで吸血鬼のように血に渇望を覚えるようになり、体にも異変が起こり始めます。
そんな誠を支えるのが、同級生の五所雪子。彼女は誠の変化に気づき、理解者として寄り添っていきます。
しかし、誠を襲ったノラの正体や目的、そして吸血鬼化した誠を狙う組織の存在など、物語は次第に複雑になっていきます。
オススメポイント1:心理描写が素晴らしい
魅力的なポイントとしては、まず心理描写が素晴らしいです。
吸血鬼になってしまった誠の葛藤、人間でいたいという気持ちと血への渇望の狭間で揺れる心境が、リアルに描かれています。
物語の構成も見事で、前半は誠個人の変化に焦点を当てながら、後半では群像劇として様々なキャラクターの運命が交錯していきます。
元々「群像劇を描きたい」と思って始めた作品で、押見先生にとっても新しい挑戦だったそうです。
オススメポイント2:「幸せとは何か」という普遍的なテーマ
また、吸血鬼というモチーフを使いながらも、根底にあるのは「幸せとは何か」という普遍的なテーマです。
作者は、あとがきでこう語っています。
“作品全体のテーマは、死と病、社会からの疎外……(省略)……それらに捉われてしまった人間にとって、幸せとは何か?”
“生まれ持った条件が悪かったり、何の落ち度も無いのにいきなり消えない傷を負わされてしまった人間にとって「幸せ」とは何か?”
吸血鬼という超常的な存在が登場するという点ではファンタジーですが、私は本作をファンタジー漫画とは思えませんでした。
吸血鬼が「死」や「病」の象徴だとしたら?
本作は誰にでも起こりうる、過酷な現実の一部を切り取った物語だったように思います。
オススメポイント3:印象的な渦を巻いた空
特に印象的だったのは、ゴッホの「星月夜」を思わせるような渦を巻いた空です。
ゴッホが登場する原田マハさんの小説『たゆたえずとも沈まず』の書影など、色々なところで使われているため、同じように「星月夜」を思い出した人もいるかもしれません。
この渦巻きが何を表しているか?
一言ではとても形容できないものだと思いますが、「混沌」「流れ」「循環」「生と死」。さまざまなことが感じられます。
渦巻のモチーフは古代から存在していて、日本でも縄文時代の土器や弥生時代の墳丘墓に渦巻の文様が刻まれていたりします。
押見先生がどのような意図でこの渦巻の空を描いていたのかはわかりませんが、ずっと渦巻いていた空が、最後だけは美しい満天の星空に変わっていたんよね。
“「幸せ」とは何か? 結局、明確な結論には至れなかったような気がします。”
とあとがきで語られていますが、「ハッピーエンド」であったことは間違いないと思います。
本作は、押見修造先生の他の作品が好きな人には間違いなくおすすめです。
また、従来の吸血鬼漫画とは一味違った、心理描写重視の作品を読みたい人にも向いています。
ダークな雰囲気やグロテスクな表現が多分に含まれているので、そういった描写が苦手な人や未成年の人にはオススメしづらいのですが、人間の内面を深く掘り下げた重厚なドラマを求める読者には、きっと満足していただけると思います。
全10巻で完結済みですので、気になった方はぜひ手に取ってみてください!

