書籍情報
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あらすじ
盟友・橘逸勢らと共に、遣唐使として長安に入った若き僧・空海。密教の真髄を「盗みにきた」と豪語する空海は、ありあまる才で多くの人を魅了していく。
一方長安では、奇怪な事件が続いていた。役人・劉の屋敷に猫の化け物が取り憑き、皇帝の死を予言したという。噂を聞いた空海と逸勢は、劉家を訪れ妖猫と対峙することに。その時から2人は、唐王朝を揺るがす大事件にかかわることになる──!
中国伝奇小説の傑作ここに開幕。
一方長安では、奇怪な事件が続いていた。役人・劉の屋敷に猫の化け物が取り憑き、皇帝の死を予言したという。噂を聞いた空海と逸勢は、劉家を訪れ妖猫と対峙することに。その時から2人は、唐王朝を揺るがす大事件にかかわることになる──!
中国伝奇小説の傑作ここに開幕。
オススメポイント
本作は、真言宗の開祖である弘法大師・空海が主人公のお話です。
2018年には染谷将太さん主演で映画化しました。
ただ、原稿用紙2600ページにわたる大作を129分に収めることは到底できず、原作小説と映画は別物と考えた方が良さそうです。
染谷さん演じる空海はとても良かったです!
空海は、804年に遣唐使の長期留学僧として、古代中国・唐に渡ります。
本作『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』は、空海が唐にいる2年間の間に起こったお話です。
唐に渡ったり、密教を学んだり、というところは史実どおりですが、その間に起こったできごとは、夢枕獏先生が創り出した物語が語られていきます。
『陰陽師』シリーズの晴明と同様に、空海にも相棒がおり、それが、留学生としてともに唐に渡った貴族・橘逸勢(はやなり)です。
密を極めていく空海と、彼の思考の助けとなっている逸勢。この2人の会話が秀逸で、いつまでも読んでいたい気分でした。
ページ数や本の分厚さに驚いてしまうかもしれませんが、改行が多めのため、思ったよりもすぐ読めてしまいます!
夢枕獏先生が1987年から17年もかけて書かれた作品をあっという間に読んでしまっていいのかと思ったりもしますが……おもしろいんだから、しかたがない!
「言葉で宇宙論を展開してみたい」という欲求のもとに書きはじめられた本作は、やがて、数十年前の玄宗皇帝と楊貴妃の時代まで遡り、当時の謎を空海たちが解き明かすことになります。
玄宗皇帝時代の留学生・阿倍仲麻呂が登場したり、「名前だけは聞いたことあるけど……」という人々のことを詳しく知ることもできる小説です。
平安時代初期に生きた空海たちの物語を、ぜひ読んでみてください。
2018年には染谷将太さん主演で映画化しました。
ただ、原稿用紙2600ページにわたる大作を129分に収めることは到底できず、原作小説と映画は別物と考えた方が良さそうです。
染谷さん演じる空海はとても良かったです!
空海は、804年に遣唐使の長期留学僧として、古代中国・唐に渡ります。
本作『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』は、空海が唐にいる2年間の間に起こったお話です。
唐に渡ったり、密教を学んだり、というところは史実どおりですが、その間に起こったできごとは、夢枕獏先生が創り出した物語が語られていきます。
『陰陽師』シリーズの晴明と同様に、空海にも相棒がおり、それが、留学生としてともに唐に渡った貴族・橘逸勢(はやなり)です。
密を極めていく空海と、彼の思考の助けとなっている逸勢。この2人の会話が秀逸で、いつまでも読んでいたい気分でした。
ページ数や本の分厚さに驚いてしまうかもしれませんが、改行が多めのため、思ったよりもすぐ読めてしまいます!
夢枕獏先生が1987年から17年もかけて書かれた作品をあっという間に読んでしまっていいのかと思ったりもしますが……おもしろいんだから、しかたがない!
「言葉で宇宙論を展開してみたい」という欲求のもとに書きはじめられた本作は、やがて、数十年前の玄宗皇帝と楊貴妃の時代まで遡り、当時の謎を空海たちが解き明かすことになります。
玄宗皇帝時代の留学生・阿倍仲麻呂が登場したり、「名前だけは聞いたことあるけど……」という人々のことを詳しく知ることもできる小説です。
平安時代初期に生きた空海たちの物語を、ぜひ読んでみてください。