書籍情報
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あらすじ
なぜ彼女は、『枕草子』を書いたのかーー。
28歳の清少納言は、帝の妃である17歳の中宮定子様に仕え始めた。華やかな宮中の雰囲気になじめずにいたが、定子様に導かれ、その才能を開花させていく。機転をもって知識を披露し、清少納言はやがて、宮中での存在感を強める。しかし幸福なときは長くは続かず、権力を掌握せんとする藤原道長と定子様の政争に巻き込まれて……。
清少納言の心ふるわす生涯を描く、珠玉の歴史小説!
28歳の清少納言は、帝の妃である17歳の中宮定子様に仕え始めた。華やかな宮中の雰囲気になじめずにいたが、定子様に導かれ、その才能を開花させていく。機転をもって知識を披露し、清少納言はやがて、宮中での存在感を強める。しかし幸福なときは長くは続かず、権力を掌握せんとする藤原道長と定子様の政争に巻き込まれて……。
清少納言の心ふるわす生涯を描く、珠玉の歴史小説!
オススメポイント
本作『はなとゆめ』は、「春はあけぼの」からはじまる随筆『枕草子』を書いた清少納言の生涯を描いた歴史小説です。
清少納言の独白という形式で本文全てが書かれているため、「です・ます」調でやわらかく、雅に感じられます。
「平安時代のギャル」「キラキラ女子」というイメージを持たれている清少納言ですが、本作では、はじめての宮仕えに戸惑いながらも、主君である定子を想い懸命に働く、ステレオタイプではない清少納言が描かれています。
清少納言が仕えた藤原定子は、決して幸運なひとではありませんでした。
数え15歳で、従弟にあたる4歳下の一条天皇の妃となった定子。仲睦まじいふたりでしたが、一条天皇が幼かったこともあり、しばらく子どもができませんでした。
定子の父・藤原道隆は「皇子を埋め」と定子にたびたび迫ります。
「娘に天皇の子を産ませ、皇子の祖父となる」
これこそが当時、国の実質トップになる方法だったからです。
しかし結局、道隆は皇子を見ることなく亡くなり、その後、定子たち一族は定子の兄たちが起こした事件がきっかけで衰退していくのです。
清少納言は定子の隣で、華やかな宮中の暮らしから没落していくようすを見ていました。
しかし、『枕草子』にはこのあたりのことは書かれていません。
定子を思うがゆえに、悪いことを遺したくはないと思ったのでしょう。
『はなとゆめ』では、そんな清少納言が隠したかったであろう暗い裏の部分まで丁寧に描かれています。
一人の女性としての、主君に仕える女房としての、1000年以上遺る作品を書いた作家としての清少納言の生き様をぜひご一読ください!
清少納言の独白という形式で本文全てが書かれているため、「です・ます」調でやわらかく、雅に感じられます。
「平安時代のギャル」「キラキラ女子」というイメージを持たれている清少納言ですが、本作では、はじめての宮仕えに戸惑いながらも、主君である定子を想い懸命に働く、ステレオタイプではない清少納言が描かれています。
清少納言が仕えた藤原定子は、決して幸運なひとではありませんでした。
数え15歳で、従弟にあたる4歳下の一条天皇の妃となった定子。仲睦まじいふたりでしたが、一条天皇が幼かったこともあり、しばらく子どもができませんでした。
定子の父・藤原道隆は「皇子を埋め」と定子にたびたび迫ります。
「娘に天皇の子を産ませ、皇子の祖父となる」
これこそが当時、国の実質トップになる方法だったからです。
しかし結局、道隆は皇子を見ることなく亡くなり、その後、定子たち一族は定子の兄たちが起こした事件がきっかけで衰退していくのです。
清少納言は定子の隣で、華やかな宮中の暮らしから没落していくようすを見ていました。
しかし、『枕草子』にはこのあたりのことは書かれていません。
定子を思うがゆえに、悪いことを遺したくはないと思ったのでしょう。
『はなとゆめ』では、そんな清少納言が隠したかったであろう暗い裏の部分まで丁寧に描かれています。
一人の女性としての、主君に仕える女房としての、1000年以上遺る作品を書いた作家としての清少納言の生き様をぜひご一読ください!