書籍情報
あらすじ
夏目漱石、ドストエフスキー、三島由紀夫……。有名な作家の作品の読んだふりから卒業したい人のために、注目の評論家・三宅香帆が、古今東西の名作小説を取り上げながら、「面白く小説を読む技術」を解説。あらすじを先に読む、読みやすい翻訳版を探す、タイトルからモチーフを考えるなど、ちょっとしたコツを知ることで、小説を読むことの楽しさに目覚めること間違いなし! 書き下ろし2編を追加収録した特別文庫版。
まえがきーー読んだふり、卒業
小説の読み方基礎講座
1 ぶっちゃけ、なんで小説って分かりづらいんだろう?
2 あなたが「積ん読」しているのは正しいと思うたった一つの理由
3 古今東西の小説を面白く読むために必要な武器がある
4 生活の中心で、小説の面白さを叫ぶ
あの小説を誰よりも楽しく読む方法
あらすじを先に読んでおく『カラマーゾフの兄弟』(ドストエフスキー著)
翻訳は何冊か読み比べて好みにあったものを 『グレート・ギャツビー』(F・スコット・フィッツジェラルド著)
前提を楽しむ 『吾輩は猫である』(夏目漱石著)
作者の考え方をたのしむ『ペスト』(カミュ著)
タイトルに問いかける 『金閣寺』(三島由紀夫著)
型を知らないからこそ、面白く読める小説がある。『三体』(劉慈欣著)
細部のこまかさをたのしむ『うたかたの日々』(ボリス・ヴィアン著)
文章を楽しむ『羅生門』(芥川龍之介著)
あえてさらっと書かれてあることを察する 『雪国』(川端康成著)
多重人格になってみる 『キャッチャー・イン・ザ・ライ』(サリンジャー著)
自然を楽しむ 『老人と海』(ヘミングウェイ著)
青年漫画だと思って長い海外文学を読む『ゴリオ爺さん』(バルザック著)
語り手を疑ってみる『ドグラ・マグラ』(夢野久作著)
児童文学はストーリー以外を楽しめる『ピーターパンとウェンディ』(ジェームス・マシュー・バリー著)
違和感から読んでいく 『若草物語』(ルイーザ・メイ・オルコット著)
小さな問いから、大きな問いへ結びつける「亜美ちゃんは美人」(綿矢りさ著)
小さな問いから、大きな問いへ結びつける(応用編)「お父さんは心配なんだよ」(カフカ著)
妄想をひろげる「眠り」(村上春樹著)
小説のように短歌をたのしむ『サラダ記念日』(俵万智著)
解説書をたくさん読んでみる『源氏物語』(紫式部著)
マイナー短編小説から読み始めてみる「畜犬談ー伊藤鶴平君にあたえるー」(太宰治著)
小説の登場人物に感情移入できなくてもいい『存在の耐えられない軽さ』(ミラン・クンデラ著)
あとがき
文庫版あとがき