書籍情報
・著者:真紀涼介
・出版社:東京創元社
・受賞歴:第32回鮎川哲也賞(佳作)
・あらすじ:
謎が、植物が、
青年二人を大人へと導いていく
校舎から次々に消えていく鉢植え、
毎年祖父の命日近くに届く差出人不明の押し花の栞ーー
草花が絡むささやかな“事件”の先で、
成長と思いやりが萌芽する瞬間を切り取った瑞々しい連作短編集。
第32回鮎川哲也賞優秀賞受賞作
一年前、偶然出会ったお婆さんに会いたい。しかし手掛かりは、庭に良い匂いの沈丁花が咲いていたことと、その庭でお婆さんが発した不可解な言葉だけーー。思わぬトラブルによりサッカー部を辞め鬱屈した日々を送る航大。春を告げる沈丁花の香りに、親切にしてくれたお婆さんのことを思い出し、記憶を頼りにその家を探していたところ出会ったのは、美しい庭を手入れする不愛想な大学生拓海だった。拓海は植物への深い造詣と誠実な心で、航大と共に謎に向き合う。植物が絡むささやかな“事件”を通して周囲の人間関係を見つめなおす、優しさに満ちた連作ミステリ。鮎川哲也賞優秀賞受賞作。
【目次】
春の匂い
鉢植えの消失
呪われた花壇
ツタと密室
勿忘草をさがして