書籍情報
・著者:橘沙羅
・出版社:角川春樹事務所
・受賞歴:第8回角川春樹小説賞
・あらすじ:
明治15年の横濱。海産物問屋の四女・すずは、車引の才蔵やアメリカ人カメラマンのモーリスといった街の人間から慕われつつ、家業の手伝いをしていた。ある日、友だちの喜代から想い人への手紙を頼まれるが、清国人が多く住む南京町でスリに会い、手紙を奪われてしまう。それを助けたのは商いで見知っていた劉鴻志だった。その際に「ワンタン」をご馳走になり、食いしん坊のすずは劉に淡い恋心を抱く。しかしその時横濱には、水死した娘や出所
不明で流通する阿片など、不穏な気配が漂っていたーー。
明治初期の横濱に生きる人々をみずみずしい筆致で描いた第八回角川春樹小説賞受賞作の登場!